職人の心

欠点豆もその国の味だからとハンドピックを
しない店がある。一応はするのだが
焙煎前に軽く目を通すだけという店も多い。

当店では、お客様が口にするものを
製造している以上、真剣かつ丁寧に行う。
そのため、大量の発注がある時は追いつかず
結構な時間まで残業になる。

忙しく疲れている時は、選別が甘くなりそうに
なるが、1粒くらいという考えは、いずれ2粒、
3粒を見逃す。緩む気持ちを引き締め、
また1粒づつ選り分ける。

日本の職人は機械以上に高い技術を持ち、
手作業で人工衛星やロケットの部品を造ると
聞いた事がある。

勿論、経験や熟練の技があればこそだろうが
実は技術云々より、一番大切なのは
心ではないだろうか。コンマ1ミリを許すと、
その甘えは、2ミリ、3ミリにもなり兼ねないという
プライドにも似た真剣な心や真摯な態度が
素晴らしい物造りをしている気がする。

僕がアンティーク製品に惹かれるのも
そういった職人の技、すなわち心がこもった
物が多く、何か共通する部分を感じるから
かも知れない…。

深夜、豆と向き合いながらそんなことを思った。
 
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