酸味の質

以前、ネットで一件の焙煎店が目に止まった。
風味の表現が面白く気になったからだ。

その後、他県で遠いこともあり忘れかけていたが、
先日、偶然 テイスティングをする機会に恵まれた。

豆の素性は悪くなさそうで、焙煎から2週間程度と
本来なら飲み頃である。しかし"挽きたて"にもかかわらず
蒸らしで違和感を感じた。多少膨らみはするが、お湯の乗り
(馴染み)の悪さから焙煎に問題があると推測できる。

本抽出では80cc(2/3)程度で抽出オーバー気味に。
きちんと焙煎された豆であれば、中挽き10gで120ccの
美味しいコーヒーが十分に淹れられるはずである。

色々気にしつつも120ccまで抽出、テイスティング。
あぁ … やはり芯まで火が通っていない。青臭さも残る。
豆の表面はしっかり褐色だが、中の焼け具合とズレていて
高速焙煎機で仕上げた豆に多く見られる症状に近い。

久しぶりに口中が "キュッ " とする酸を味わった。
尖った酸が主張するため カップの一体感も乏しい。
ストレート2種類を試したが同じ傾向であった。

この焙煎店はネットでも大々的に販売しているようだが、
こういう豆を販売するから酸味の嫌いな人が増える。
他店を悪く言いたくないが、このレベルでは致し方ない。

何度も言うが、良い酸味とは必ず甘味を伴い、
深みと奥行きをもたらす素晴らしいものである。

酸味系に仕上げたとしても、酸が突出するのではなく、
味わいとして上質で円やかな酸味の割合が
増えるだけであり、決してバランスを崩してはいけない。

当店のコーヒーで酸味を好きになった方はとても多い。
過去、嫌な酸味に出会った方 … あきらめないで欲しい。
 
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