談、あろま

第五話 「茶は東にありき」 紅茶パートU
皆様こんにちは、この頃少し寒くなってきましたが、風邪なんてひいていませんか。近頃、当店も風邪のお客さまが多く、しかも、長引いていらしゃるようです。皆様も充分お気を付け下さいませ。

今回は、紅茶についてのパートUですね。前回、紅茶の「渋さ」についてお話しました。そこでも、ちょっと触れましたが、紅茶といえば「イギリス」という答えが帰ってくる程、両者は縁の深いものです。ところが、紅茶はもとより、緑茶もウーロン茶もお茶と呼ばれるものすべてのルーツが中国であるということは意外と知られていないことかもしれません。

実際に中国の人は、毎日、本当に良くお茶を飲むそうです。広東の人は、特にお茶好きと言われているようですが、広東に限らずどこでも、食前食後、そして勿論、食事と共に各自が好みのお茶を楽しんでいるそうです。中国茶というと、ウーロン茶とかプーアル茶を思い浮かべる人が多いと思いますが、こうしたお茶だけでなく、日本で緑茶と呼んでいるものから、紅茶まで、それぞれが自分用のお茶を選んで持っている、というお国ぶりだそうです。皆様の中にも、これまで中国茶は中国、緑茶は日本、紅茶は英国、と思われていた方も多く居らっしゃるのではないでしょうか。

ひと口にお茶といっても、実に驚くほど多くの種類があります。紅茶やウーロン茶、緑茶、ほうじ茶、番茶、数え上げれば切りが無いほどですが、実はこれらすべてのお茶は同じ茶樹を原料に(もちろん使用品種は異なりますが)作られているのです。このことに関しては最近よく耳にしますので、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。

では、どうして同じ茶葉から紅茶や緑茶ができるのでしょう。それは製造方法が違うからです。紅茶とは、生長した茶の木からとれる葉をしおれさせて揉み、発酵、乾燥させたものです。こうして作られた紅茶は黒褐色をしているので英語で「ブラックティー」といわれるのです。(一方、紅茶という和名は淹れたときの色からきているものなのでしょう)

反対に緑茶系、たとえば抹茶、煎茶、玉露茶などのお茶は、摘んだ葉を熱して酸化酵素を壊し、葉を発酵させないようにして作られます。紅茶が発酵茶と呼ばれるのに対して、緑茶系は不発酵茶と呼ばれます。その中間に半発酵茶と呼ばれるものもあり、ここにウーロン茶やジャスミン茶などが入ります。

紅茶や緑茶、ウーロン茶などすべての茶の原料となる茶の木は、現在世界各地で栽培されていますが、もともとは中国の雲南省にしか自然育成していない植物でした。その後、インドでアッサム種が発見されたのですがそれは19世紀に入ってからと比較的最近のことであり、それまでは茶といえば紅茶も緑茶も中国が産地と決まっていました。しかも、普通、中国茶といえばウーロン茶のようなものを思い浮かべてしまいがちですが、その中国では紀元前からずっと緑茶が飲まれていたのです。7〜8世紀の唐の時代になってもまだ緑茶で、もっともっとずっと後の10〜13世紀、宋の時代になってやっと紅茶が登場したのです。

この頃になって、シルクロードに代表される当時の貿易路を経て茶はアジアの各地へと急速に広まり、日本でも栽培が始まりました。皆様の中にも「緑茶は日本!」と思っていた方も多いんじゃないですか。それが実は中国で生まれ育ち、これ程長い歴史があったとは驚きですね。中国茶にはまると奥が深くって大変と言われる訳がこのあたりにもありそうです。

さて、ではなぜこの中国で登場した紅茶がイギリスの各家庭に普及し、「紅茶=イギリス」といわれる程の紅茶文化を築いたのでしょうか?次回はこの辺りから、なぜイギリスで飲む紅茶が美味しいのかという確信部分にまで触れていこうと思います。ではまた次もお付き合い下さいませ。今回はちょっと硬いお話になってしまいましたが、少しお疲れになりましたか?こういう時は、温かい珈琲か紅茶を淹れてリラックスしましょう。

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