談、あろま

第二話 「珈琲って?」
皆様こんにちは、「マスターのひとりごと」の2回目です。前回は初めてということもあり、ご挨拶程度でしたね。

今回からは「DUN AROMA」の何と言うことはない日常や、また専門店らしく、私が珈琲について、これまでに得た知識や情報を、詳しくない方にも分かり易いよう、お話をして行こうと思っています。

まず、今回はタイトルを見て頂いて既にお分かりのように、「珈琲?」というものについて少し考えてみましょう。

珈琲というものが、どのような物であるか、、、?

豆を挽き、お湯で濾す、苦かったり、酸っぱかったりする黒い飲み物、、、
な〜んてことは、誰でも知ってますね。

でも、私が今回ここでお話をしたい内容は、そういう事ではなく、もっと違った角度から珈琲という物を見てみると、珈琲を好きな人はそれ以上に、そうでない人も、飲めるようになるかも?っていう何らかのきっかけになればいいなぁ〜と想いつつ、お話を進めてみようと思います。

それでは、ただ黒い飲み物で無いとすれば、いったい何なのでしょう? そのヒントとして、珈琲を飲む際の状況を考えてみましょう。

貴方は珈琲を飲むとき、喉が乾いたからと、いつも飲んでいます?
まあそういう事もあるでしょう。

でも、
☆これがなきゃ目が覚めないぞと、朝の一杯。
☆仕事中に飲む「ほっ」と安らぎの一杯。
☆仕事の終わりに「グィッ」と飲むケジメの一杯。
☆アフターファイブ、食事の後で味わう満足の一杯。
なんて感じじゃありませんか。

きっと中には、粋な男と女の出会いに、この甘い香りは欠かせない、なんて映画を地でいってる方も、きっといらっしゃるでしょう。
あっ、夜更けにこっそり、自分のためにいれる一杯に、喜びを感じてる貴方も忘れてましたね。

考えてみると色々ありますね〜。
まだまだ貴方にとってこだわりの一杯があることでしょう。

でも、もし、そんな珈琲が世の中に無くなったとしたら、、、。
ずいぶん寂しくなるような気がしませんか。

あのハードボイルド小説家、レイモンド・チャンドラーが相当な愛飲家であったことは、彼の作品の多くに珈琲が出てくることからも想像がつきます。
そして数々の映画にもかなりの名脇役として登場していますね。

例えば、あのアメリカの有名な女優、
メリル・ストリープが主演した「プレンティ」。

前向きな彼女が、夫の言いなりになる生活をしいられている場面で、彼女の前におかれる珈琲が、そのけだるい雰囲気と虚しさをよく表現しています。ひさしぶりに訪ねてくれた友人を迎えながらコーヒーカップを前にボーッとしてしまう彼女。いつも情熱的な女性を演じている彼女から、無言で、疲れきった、痛々しい表情を引き出したのは珈琲の功績でしょう。

メリル・ストリープの作品をもう一本。「愛と悲しみの果て」

メリル・ストリープと、ロバート・レッドフォードが大草原の中で珈琲を飲むシーンが印象的ですね。家庭も仕事も忘れて、くつろぐ二人を、珈琲がロマンチックに演出しています。

そして、珈琲とぴったり共演している女優といえば、忘れてならないのが
ヘップバーンです。名作「ティファニーで朝食を」では、立ったままプラスチックのカップで珈琲を飲む姿だけで自分の奔放な性格をアピールし、「シャレード」では、ピストルで狙われるシーンにジヴァンシーの服で珈琲を飲んでいる姿が、いかにもミステリアス。狙われることを妙に納得させられてしまいます。

またいい男にも珈琲がよく似合います。ポール・ニューマンや、ロバート・デ・ニーロも傍に珈琲のあるシーンが多く、飲まなくても、カップを持つだけで十分に渋いです。

ああ、これら全てに珈琲が無かったら、なんと間の抜けたことか。(+_+)

こんなにも語り出すとキリがない珈琲を、ただの飲み物にするのはもったいないですよね。お酒と同じように、身体の調子が悪ければ美味しくなかったりと、体調のバロメーターにもなる珈琲、これはもうりっぱな嗜好品です。

辞書によると嗜好品とは、「栄養摂取を目的としないで、心の安らぎなどを得るために、たしなみこのむこと」とあり、実際に、酒、珈琲、タバコなどが例としてあげられています。

もしも貴方が、これまで珈琲というものを何も意識することなく、単なる飲み物としてとらえていたのなら、そこにほんの少し「嗜好品」という言葉を加えてあげましょう。きっと珈琲の世界が何倍にも広がりますよ。

私もよくお客様から、「マスターはそんなにこだわっていると、缶コーヒーなんて飲まないんだろうね」と聞かれますが、いえいえ、よく飲みます。

例えばドライブで目的地に着き、とりあえず「ほっ」としたい時。そういう人も多いんじゃないでしょうか。この場合はきっと味を求めるのではなく、心の安らぎや落ち着きを求めるのでしょうね。

一本の缶コーヒーで、少しでも心が癒されるのならば、それはとても価値のある120円です。180円とか200数十円のスタンド型式のコーヒーショップもたくさんあり、それをまずいと言う人もいますが、その珈琲には、それなりの価値があると私は思います。( ただ、やはり味を感じるものですから、その価格より遙かに美味しくない場合はもちろん例外です)

いかがでしょう。
珈琲に少し興味がわきましたか?

さて、これまでは心が癒されるなど精神面中心のお話でしたが、次は味についての楽しみ方を簡単にお話しましょう。

「酸味の無い珈琲はどれ?」
これはお客様から非常によく聞かれる質問です。
どうも酸味が苦手というお客様が多いように感じます。おそらく心地よい甘い酸味ではなく、豆の品質や、保存状態、抽出の方法に問題のある「すっぱ〜い!(>_<)」という珈琲を飲まされたことがある方々なのでしょうね。

でも、そういった方々も、たまにはモカやキリマンジャロなど酸味の代表を試してみませんか?思いのほか、柔らかく甘い酸味に出会うことがあるかも知れませんよ。(^o^)

もし、ハズレてしまっても嗜好品ですから「ふ〜ん、こんな味もあるのか、でも自分にはちょっと合わないな、これ、おいしいと思う人がいるのか?もう一口、あ〜、やっぱりまずいよ〜」な〜んて遊べるくらいの余裕が持てると、楽しむという意味では一歩進んだ気がしませんか。「昨日、まずい珈琲飲んじゃってね〜」と会社で同僚との話もはずむことでしょう。( と言っても、まずい珈琲を薦めている訳ではありませんので、お間違えなく、、、)

また、同じ店で同じ珈琲を飲んでも、同じとは限りませんし、その時々で、焙煎の具合も微妙に変わります。その上、煎った直後のものと、1〜2週間経過した豆では味は全く異なります。お水そのものも季節や天候によって変わりますし、抽出する人によってもと、、、言えばキリがないですね。

これらひとつ、ひとつを取れば微々たるものでも、それが重なれば味を大きく変えてしまうことがあります。

しかし安定しないことが悪い訳でなく、変わるということは、工業製品ではなく、生きているという証でもあるのです。

ですから、時には嗜好と違っても
「今日は苦みがちょっと強いかな?何故かな?
豆を焼いて間がないのかな、マスターに聞いてみよう。」とか、
うまい、まずいだけでなく、色々前向きになって考えられるようになると、
楽しくなりそうですよね。

どうせお金を払うのであれば、もっと、もっと楽しみましょうよ。(^o^)丿

では、今年もあと僅かですが、皆様が2000年に美味しい珈琲に出会えることを祈りつつ第二話を終わらせて頂きます。

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